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あなたは本当の百合を知る。『やがて君になる』4巻の感想・書評

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電撃コミックスNEXTより発売「やがて君になる4」

おっす、お久しぶりの記事です。となりです。

ぐりむくんに記事を書けと怒られました。忙しいのを理由にしてたらあきまへん!

 

ということで今回ご紹介するのは仲谷鳰氏が手がける漫画「やがて君になる」4巻レビューをしていこうと思いますー。

 

仲谷鳰「やがて君になる」4巻の基本情報


やがて君になる(4) (電撃コミックスNEXT)

  • 名称:やがて君になる 4
  • 発売日:2017年6月26日
  • 出版社:電撃コミックスNEXT

あらすじ

人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。

そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──

「私、君のこと好きになりそう」

出典:やがて君になる4巻 特設サイト

『やがて君になる』4巻の書評に入る前に

さて、久しぶりの書評ということで戸惑ってますが、頑張っていきたいと思います。

 

本作『やがて君になる』は第21回電撃コミックス大賞に作者の仲谷鳰(なかたににお)氏が選ばれたということで話題になっているかもしれませんね。

誠におめでたいことで、こちらまで嬉しくなります。

 

このブログで『やがて君になる』の1巻から3巻の書評をしていないので、おさらいも兼ねて『やがて君になる』の過去巻についても触れておきましょう。

 

今最も熱い百合漫画。それが『やがて君になる』

『やがて君になる』のストーリー自体は簡単に説明できる。

『恋をする感情』が分からない小糸侑こいとゆうが、学校中から信頼を集める生徒会役員の二年生で、同性に恋愛感情を持つ七海燈子ななみとうこ]に告白されたことで起きる淡い群青劇が描かれている。

 

正直、LGBTに関する理解の促進が急がれていて、『ゆるゆり』や『マリア様がみてる』が売れたことによって百合作品が急増中の昨今では特段珍しい設定とは言えないかもしれない。

――いやまぁ、百合漫画はまだまだ少ないとは思うので、百合ってだけでもある程度の特異さはあるかもしれんけど。

 

ただまぁ、漫画というのは何も設定ありきというものではないと思う。

例えば、それは尖りに尖りすぎちゃってるキャラクターや、続きが気になって仕方ないストーリー。

漫画を形成する要素というのは実に多大だと思うし、これがいいから売れる! ってこともない。

 

そして『やがて君になる』も、ストーリーがここぞ! という魅力ではないと思う。(もちろん話も面白いけど)

 

主人公の侑は前述した通り、恋愛に関して”鈍感”という言葉が似合う少女だ。

そんな侑に告白した燈子は、姉の澪を七年亡くしており、澪の遺言に沿って姉そっくり生きることを自分に課してしまった少女。

 

もともと燈子も人を好きになるということがいまいち分からない少女だったことで、侑は親近感に似た感情を抱いていたのだが、燈子は侑と交流していく中で『人を好きになる』ということを侑を好きになることで知ってしまう。

 

やっと出会えた共感者。なのに、自分を好きになってしまったことで共感を分かち合えなくなる恐怖。

 

それは侑と同じく『人を好きになる感情が分からない』人でなければ真実理解することはできないが、唯一無二ともいえる共感を共有できる存在がいなくなってしまうことで置き換えれば、それがどれほどの恐怖なのかがすっと心に入ってくるかもしれない。

 

と、このように冒頭を部分を説明するだけでも息をゼーゼーさせながら書かないと、上手く文章にならないぐらいには心情描写が巧みで、いち男性読者である僕は多分これからもずっと理解できないだろう、女性が女性を好きになる感覚というものに想いを馳せながらも、共感を共有できる存在が変わってしまうことへの哀感を何度も噛み締めている。

 

また、他の百合系漫画と一線を画する点として、決して幸せには終わらないと分かってしまう三角関係の要素があるかもしれない。

 

その三角形を構成しているのが、侑と燈子、そして佐伯沙弥香さえきさやか

沙弥香は生徒会で活動する燈子のサポートをしてきた女の子で、燈子のことに恋愛感情を抱いている。

そしてこのカルテットにおいて最も積極的と言えるかもしれない。

 

一人と一人が出会い、その過程で多岐亡羊に遭い、それでも自分の決意のもとに前へと進み続けて幸福へと至る……っていうのはよくある話だけど、この漫画に関しては一人と一人と一人がいて、絶対に誰かがあぶれてしまうのが予想できてしまい、それがなんともむずむずとした気持ちになるだろう。

 

はぁ……しゅき……って感じ。

 

『やがて君になる』4巻の感想・書評・レビュー

どうやら4巻累計で40万部発行? 売上? だったらしい。そりゃ売れるわなと思う。だって「しゅき……」って語彙力消失するぐらい良い漫画だもの。

 

さて四巻の内容に移ろう。

 

まぁ結論から言っておくと『はぁ……しゅき……』である。

 

『しゅき』ポイントは2つ。

 

  • 合宿のお風呂
  • 七海燈子の傲慢さ

ということで、書いてく。

 

合宿のお風呂

 

はぁ……しゅき……

 

まぁ要は文化祭で公園する劇の練習のために合宿に行った侑・燈子・沙弥香がお風呂に入る時にお互いの裸を気にしたりしなかったりってことなんだけど、はぁもうしゅき。

特に服脱ぐのにモタモタするところが、最高に『やがて君になる』の言葉にしたら薄れちゃうタイプの繊細な心情描写満載。

 

よくもまぁそんな頭掻きむしりたくなる描写が描けるもんである。最高かよ。

それに続けて川の字になって寝てる時に、劣情や慕情や親情入り混じって寝てる相手に触れたくなってしまうんだけど、結局「三人で良かった……」とか言い出して、2人だったら何をしたんだよなんだこれは俺をむずむずさせるなよ季節外れの花粉症になるレベルでむずむずしたよって感じ。

 

後このシーンで、完全に三人の意中の相手への行動指針が出てる。

触れるか、触れないか――と、触ることを望む侑。

寝顔が見れたら――と、見つめることを望む燈子。

手を伸ばしたら――と、触ることを望む沙弥香。

 

後述もするけど、三人の少女ごとに恋への捉え方が違っていて、これがまた今後も面倒な関係に拍車をかけそうだからワクワクするし、胃潰瘍発症しそうなぐらい胃がキリキリもする。

嗚呼、いい塩梅。

七海燈子の傲慢さ

 

すこすこのすこってやつだこれ。

 


 

……姉、澪になりかわることを狂信的といえるほどに切望していた燈子だけど、生徒会OBにして澪の友人だった仲ヶ谷が、燈子は『完璧』すぎて澪と似ていないことを褒め言葉のつもりで告げる。

しかし、燈子にとって澪にあまり似ていないという気遣いは、一番言われたくない言葉だった。

仲ヶ谷の言葉をずっと気にして、不安定になる燈子。そんな燈子を見ていた侑は燈子に何かがあったと確信して自分の家に燈子を呼ぶ。

今まで見せたこともないような弱った表情で「甘えてしまうかもしれない。それでもいいのなら」と堂々甘えることを宣言してくる燈子に、侑はこれから何が起きるのかと少しだけの不安と期待を感じながら燈子を家へ連れて行くことに。

 

家に入ってすぐに侑の膝の上で寝たり、キスをせがんだりする燈子。

 

やがて燈子は言う。

私のままの私のことを好きにならないでほしい。自分の嫌いなものを好きになった人のことを好きになれるかわからないから、と。

 


 

これを読んで僕は、燈子はなんて傲慢さで溢れているんだろうと思った。

要は、恋心を抱く相手に、自分が見せたい自分だけを見て、好きになってほしいと言ったんだ。これを傲慢さと言わずして、なんていえばいい。

 

でも不思議と燈子と嫌いになることはできない。みんなとそうだと思う。

それは多分、共感してしまうからだろう。

 

誰だって、愛した人には、自分が一番だと思った自分を見せたい。そんなことは当たり前のようにみんなが思っているから。

でも、自分の好きな人……つまり侑にとっての燈子が一部しか見せてくれないのは、とても悲しいことだと思う。

 

だから侑はついに動く……!

 

というところで終了。

 

今まで全容が中々見えてこなかった『やがて君になる』だけど、4巻にしてタイトルの意味や伝えたいことがはっきりしてきた感がすごい。

続きに期待……しすぎて次が待てない。

 

読んでいただきありがとうございました。

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